会長挨拶

第35回日本神経救急学会学術集会 会長 帝京大学医学部神経内科学講座 主任教授 園生雅弘

第35回日本神経救急学会学術集会 会長
帝京大学医学部神経内科学講座 主任教授
園生 雅弘

この度、第35回日本神経救急学会学術集会を2021年6月19日(土)に、帝京大学医学部附属病院におきまして、開催させていただく運びとなりました。伝統ある本学会のお世話をさせていただきますことを誠に光栄に存じます。

テーマは「令和の神経救急の幕開け」とさせていただきました。令和も3年となりますが、時期的に学会テーマに令和とつけることができるのは、本学術集会が始めてということでこのような名前とさせていただいたものです。しかし、令和2年=2020年は、COVID-19の世界的蔓延によって神経救急、あるいは医療・医学のみならず、社会全体が大きな試練に晒されていることはご存知のとおりです。現時点(2020年5月)では、谷崎義生先生会長の第34回大会は、6月から11月7日開催に延期が決定していますが、11月に通常開催が可能かどうかもまだ全く先が見えない状況です。

COVID-19は脳卒中、意識障害など様々な神経症状を呈し得ることが報告されています。このため、脳卒中の急性期診療を含む神経救急場面におけるSARS-CoV-2に対する防御も緊急の課題となっています。このような中、当学会では日本神経学会の神経救急セクションと協力して、2020年4月15日にいち早く「脳神経内科、脳神経救急担当当直医のための新型コロナウイルス感染症における意識障害患者診察についてのガイドライン(脳神経内科当直医のための、新型コロナ感染を配慮した意識障害等の神経症候を呈する患者への救急外来対応マニュアル)」を作成公開しました。これは診療科に関わらず、意識障害等の神経救急患者に接する医療現場で役立つものと思います。

このように、当初テーマを決定した時とは全く異なる状況下で「令和の神経救急」が始まることとなってしまったわけですが、2021年6月の世の中がどのようになっているかも全く想像がつきません。しかしこのような短期的状況に限らず、令和時代という長期を見据えて、神経救急の今後のあるべき姿、とりわけ各診療科の特質を生かした神経救急への関わり方の将来像について、本学術集会で議論・提示することができればと考えています。

帝京大学医学部附属病院へのアクセスは、JR埼京線十条駅、都営地下鉄三田線板橋本町駅から徒歩10分強のほか、JR板橋駅・王子駅から直通のバスも出ており便利に利用できます。2020年5月現在、全国で緊急事態宣言が発令中で、約1年後の本大会の時にはどのような状況になっているかはわかりませんが、大学の位置する板橋・十条・赤羽・王子界隈には、下町の雰囲気の残る数多くの居酒屋・レストランが存在しています。もし緊急事態が部分的にでも緩和されて経済活動が再開していれば、アフターファイブにはコロナ禍を乗り越えたこれらのお店で疲れを癒していただけましたら、たいへん嬉しく存じます。

多数の皆様のご参加を心よりお願い申し上げます。